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古今東西のエピソードから、人として大切にしたい心、元気がわく言葉を送る――エッセイスト・木村耕一のブログです。

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失敗しても、信用を得たリンカーン

2010/06/29 09:43:54


こんにちは、木村耕一です。


ミスを犯したり、人に迷惑をかけたら、まず、何をすべきでしょうか。

20歳過ぎのリンカーンは、失敗しても信用を得た、というエピソードを紹介しましょう。



「しまった!」

ある商店で働いていたリンカーンが叫んだ。

1日の売上金を確かめたところ、どうしても、3セント多いではないか。

ごまかそうという気持ちは少しも起きなかった。

誰に迷惑をかけたのか、そのことで頭がいっぱいになった。


記憶をたどっていくと、8ドル分の雑貨を買った婦人から、8ドル3セント受け取ったことが分かってきた。

明らかに自分の計算ミスである。


「ああ、申し訳ないことをしてしまった……」

そう思うと、もう、じっとしてはおれない。

彼は、さっそく戸締まりをして、店を飛び出した。

婦人の家は、だいたい見当がついている。

暗い夜道を、1時間余りも走って、ようやくたどり着くことができた。

「誠に申し訳ありません。実は、私が計算を間違えて、3セント多くいただいてしまったのです。まったく、私の過ちであります。お許しください」


彼は、一切、言い訳をせず、心から謝罪した。

「まあ! わずか3セントを返してくださるために、こんなに遠くまで来てくださったの」

婦人は、リンカーンの誠意に打たれた。

目の前に差し出された3セントの銅貨が、100万の金貨よりも値があるもののように映っていた。

「あなたの、その尊い気持ちは、今にきっと、真価を発揮する時が来ますよ」

20歳過ぎの、みすぼらしい店員に、輝かしい未来を感じたのであろう。

(『こころの道』より)


「ごまかさない」

「言い訳をしない」

「自分の非を認めて素直に謝る」

この3つは、信用を築くために、欠かせない心得です。


リンカーンの、誠実な人柄に、町の人々は、

「あんな立派な青年が議員になってくれれば……」

と、次第に期待を寄せるようになりました。

25歳でイリノイ州議会議員に当選。

そして、夜道を走った日から、約30年後──。

彼は、アメリカ合衆国、第16代大統領に選ばれました。


小さな誠意の積み重ねが、大きな花を咲かせたのです。



こころの道
木村耕一編著
定価 1,575円(税込)
(本体1,500円)
四六判上製 296ページ
ISBN4-925253-14-X

http://www.10000nen.com/book/michi/michi.htm




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